仕事で、オランダ・アムステルダムに1週間ほど出張しました。この時期の海外渡航は、コロナ対策にはじまりコロナに終わる、という印象でした。PCR検査を受けにオランダに行ったような気分です。
ある程度予想してはいたものの、しなければならないこと、つまりし損じると大変な問題になることがたくさんあり、一つ一つ対処していくのは予想した以上に大変でした。今後、渡航を考えている人のために、自分の経験の範囲ですが共有します。決して読みやすくないのですが、急ぎ書いているので乱文お許しください。オミクロン株の流行を受けてまた動きが変わりましたが、今後にふたたび状況が変わって渡航しようと考えている方の参考になればと思います。
最新の情報は必ず、厚生労働省などのサイトで確認してください。ここでの記述にある情報だけを元に行動をとって何か問題が起きても、当方は責任を持てません。ただし、この時期に海外に行く必要があるかどうかの判断材料になればと思い、共有するものです。
以下に書きますが、私の場合は渡航先の現地政府の情報と、現地の日本大使館の情報を合わせてダブルチェックしました。
出国前・渡航中・帰国の3段階に分けてそれぞれ、必要な手続きがあるので、以下に分けて説明します。
出国前は、出国に必要な手続きはもとより、帰国後までを見渡して準備する必要があるので、ここがキモですし、かなり大変。手続きに漏れがあると、最悪の場合帰国できないということになりかねないので、一人で作業するのではなく二人でクロスチェックをしながら準備を進めるなどの工夫をした方が良いかもしれません。一人が行うには、作業量も多いですし、心理的負担も大きいです。
【渡航先および期間】オランダ・アムステルダム、11/19〜25。同行者とは別便。
【出国前】
役に立ったのは、現地の日本大使館のウェブサイト
現地在住の日本人向けの情報とあわせて、今回の我々のように、日本人が短期的に渡航して、また日本へ帰国する場合を想定した情報が記されていた。日本政府の発表にあわせて、情報が更新されている。短期の海外渡航で現地の日本大使館の情報をつぶさに見るという発想がなかったので、ここにたどり着くまでに時間がかかった。 個人的に特に有用だと思ったのは(オランダの場合)、①現地政府による英語の情報を読み違えていないかのダブルチェックになった、②日本への帰国に際して必要なPCR検査を受けられる場所の案内があったこと--だった。検査場所は大使館で確認済みの場所として情報提供されていたので、話が早かった。
情報収集で特にフラストレーションを感じた点
航空会社や旅行会社が情報をそれぞれ出しながらも、結局は「詳しくは当局の発表に従ってください」であること。事態が流動的であり、世界各国の国の情報について責任をもって網羅しきれないということは理解できる。しかし、私の場合は、渡航の2ー3日前に某航空会社から届いたメールで混乱しました。
メールの内容は、現地政府が入国に際して求めているのと食い違っている情報が含まれていて、そのポイントが渡航の可否に関わる深刻な内容だった。具体的には、「あなたの行き先は入国前にPCR検査による陰性証明書が必要だ」とのこと。しかし、実際には日本からの渡航者(EU基準で「High risk country」)はワクチンパスポートを陰性証明書の代わりにできる(※注・11月17日時点の情報)ことになっていた。陰性証明書を必ず示さなければいけないのは、EU基準で「Very high risk countries」であり、南米の一部など変異株(注・オミクロン株の判明前。こちらの基準も11月17日時点の情報)の流行地域からの渡航者が該当する。しかし、チケットを購入した旅行会社からの情報では、「現地政府がOKであっても航空会社がPCR検査を求めることがある」とも伝えられていた。そうなると、私が受け取ったメールの情報の食い違いも、航空会社として陰性証明書を求めているものなのか?とも読めた。 航空会社の問い合わせ窓口(チャット)で尋ねたが、「現地政府の指示に従ってください」の一点張りでらちが開かなかった。BOTが対応しているのかと勘繰りたくなったが、どうもそうではないようだった。結局、同行者と相談の上、安全な方を選んでPCR検査を自費で受けることに。1件3万円也。実際どうだったかというと、搭乗時にも入国時にも、陰性証明書の提示を求められることはなかった。
トランジットの場所についての条件も、きちんと調べておきたい
空港から出ないとしても、要チェック。同行者はロンドンでの乗り継ぎ。イギリスはEU/シェンゲン協定加盟国ではないので、同国でトランジットする際の条件を確認する必要があることを、私は気づいていなかった。羽田の空港カウンターで、職員の人に手伝ってもらってことなきを得たとのこと。
自宅待機期間が10日→3日に短縮される「水際対策強化に係る新たな措置(19)」の膨大な作業(※オミクロン株の影響で、本日11月30日時点で停止中)
すでに報道などで言われている通り、非常に煩雑。作成する書類が5種類ある。企業の所管官庁に申請し、日本人を含む入国者全員の名前、生年月日、パスポート番号、滞在先住所等の個人情報の他に、待機期間2週間の各自の行動予定も提出する。ここで申請していないと、「予定外の行動」と取られそうな感じ。
より重要なポイントは、所管官庁が発行する「審査済証」を、日本への再入国の時点で提示しなければ、3日への短縮は実現しない。審査期間は3週間程度かかる。我々は結局、間に合わなかった。11月8日に実施された制度なので、もともと厳しい状態ではあったが、書類作成の労力を考えると非常に惜しいと感じた。
入国者が多いほど大変な作業で、大きな企業は総務系の担当者の人がやることになるだろうが、負担が大きい。この申請作業に限らないが、コロナをめぐる出入国時の一連の手続きは、絶対に守らなければならないことがいくつもあり、それらがすべてトラップになりうる可能性があることを強調しておきたい。
書類作成時に、問い合わせ電話番号にかけてみたが、問い合わせを受ける側もあまり理解しておらず、こちらの質問に対して戸惑っている様子が感じられた。質問内容に対し、初めて尋ねられたかのような印象。確か夜まで電話対応してくれていてお疲れ様だが非常に頼りなく、私は誰を信じれば良いの?状態に。状況が刻々と変わるので、対応する側も大変だとは思う。
【渡航中】
EU居住者はQRコードを提示、短期滞在者は?
EU居住者はワクチン2回接種済みであることでQRコードを取得でき、お店などに入るときに示せるが、短期渡航者はできない。大使館情報では、短期滞在者はワクチンパスポートを使ってアプリを入れられるとのことだがうまくいかず、断念した。
毎日の簡易検査?も行った
これは仕事で訪れたイベントの主催者から求められた。詳細が書いてあるページを見つけ出すのが大変なので、割愛します。日本から毎日の分を予約した。土地勘がない場所での予約は割と大変。
検査の30分後ぐらいにメールで結果のお知らせ→SMSで認証コードを受信→サイトに認証コードを入力して結果を見られる。この日々の陰性結果をスマホで示すと、美術館など公共の場所の入場がスムーズ。 しかしここでの難関はSMS。日本にいる時のように、簡単に受信できなくて難儀した。おそらく、現地で使えるWifi(イ●トのWiFiなど)の設定の問題。渡航時は余計なモバイルデータ通信を抑える設定に変更するため。それに気づいてモバイルデータをONにしたら、SMSを受信できた。そして、またWiFiの設定を元に戻す…。これを毎日、検査結果が出た後に繰り返しました。
何日か過ごしてみると、この陰性結果がなくても、ワクチンパスポートと通常のパスポートを見せることで公共の場所に入場できる場合もあった(常に、ではない)。レストランなどでは、店員が見慣れないもの(日本のワクチンパスポート)をしげしげと眺めて調べるので、後ろがつっかえる場合もあって辛い。ちなみに、スタバはお店で飲む場合には証明書の提示を求められ、マクドナルドはテイクアウトかイートインを問わず店の入り口で求められる(オランダに行ってまでスタバやマクドナルドに行った理由は聞かないでください)。
出国前72時間以内の検査で陰性証明を取得しないと、日本への飛行機に乗せてもらえない!
出国前72時間以内に検査(PCRなど。検査方法に指定があるので注意)を受けて陰性証明を検査機関から発行してもらうのを忘れないこと。これがないと、日本行きの飛行機に乗せてもらえない! 書式も日本政府が用意したものに書いてもらう必要がある。私は現地の日本大使館で紹介されていたクリニックをあらかじめ予約。大使館のサイトにもあるように、「日本への渡航のために必要な書類だ」と伝える方が無難。
我々が検査に行った場所は、すでに書式のフォーマットも持っていて、ちゃちゃっとやってくれた。でも、陰性の結果を受け取るまでは安心できなかった。これがないと日本への飛行機に乗せてもらえないから。毎日受けた簡易検査?と違って、対応してくれる検査機関も限られている。
なお、ここでもハプニング発生。検査機関がある郊外に向かう地下鉄に乗ろうとしたが、待っていた電車が何の理由かキャンセルされ、その後30分以上も来なかった。ほんとうに、何が起きるかわからないと痛感。どう考えても予約に間に合わない!と思って、電話をしようにも現地のSIMカードは持っていないし、メールを送っても見てもらえるのかもわからなかったが、とにかく送った。
焦りながらタクシーを拾って向かったが、その間に「わかりました。大丈夫ですから到着時刻を知らせて」との返事が来ていた。結果として、予約時間を20分ぐらいオーバーして到着したが、親切に対応してもらえて、本当に泣きそうになった。
郊外で検査を行ったため、半日がつぶれた。予想はしていたが。検査料は一人当たり120€ぐらいだった。
【帰国前】
空港到着は3時間前
日本出発時もそうだが、時間がかかることを考えて離陸3時間前に空港着。
余計な心配が浮上…疲れていたから?
出国前72時間の検査は、厚労省のサイトによると「出国時の72時間以内に受ける必要がある」と書かれていたが、ふと、トランジットの時点で72時間を過ぎていたらどうなのか?と思ったら、また冷や汗が出てきた。同行者が、トランジットの場所に着く頃には「72時間」は微妙だったため。
自分のトランジット先でも陰性証明の提示を求められ、さらに不安に。そこで係員に尋ねたところ、「日本便だからとりあえず書類を見ているだけ。最初の出国時時点で72時間以内なら大丈夫」との説明を受けて胸を撫で下ろす。実際のところ、「出国前」と書かれているように、滞在国から離れるポイントを指すのだが、いろいろな情報に触れて、ときに翻弄されながら対応してきているので、自分が色々信じられなくなっていて余計なことまで心配したのだと思う。
いろいろな書類に署名
日本への機内で、コロナ対策に関するまた別の書類が、免税関係の書類と一緒に配布された。公共交通機関を利用しないとか、諸々のルールを守るといった内容で、再び署名。全期間を含めて、どれだけ署名したのか数えきれない。
日本への入国時のPCR検査を含むもろもろの手続きで、1時間超かかる
入国者専用のアプリMySOS(Googleマップ・履歴アリに紐づけられる)のダウンロードなどを行う。到着口から入国審査まで、3-4か所でいろいろなことを聞かれたり、書類を示したりした記憶があり、とても長い道のりだと感じた。この時、待機期間を3日間へ待機するための審査証が出ていなかったので、短縮は不可能であることを告げられる。
帰国後の交通手段まで頭が回っていなかった
出発前に手配がきちんとできておらず(きちんと帰ってくるための手配で精一杯だったのが実情)、少しもたつく。 選択肢は自家用車(または会社所有の車両)か厚労省認定のハイヤー(羽田から23区内で大体1万円〜)、あるいはレンタカーを使うなどして、公共交通機関以外の使用を「強くお勧めします」との表現。「強くお勧めする」なら電車を使ってもいいのでは…との考えが一瞬よぎったが、これまでに諸々の書類にさんざん署名していたので、とても電車を使う気になれなかった。ちなみに、羽田の到着ロビーから京急・モノレールへの乗り口に向かう通路には、警察官が2〜3人立っていたので、スーツケースを転がして電車の乗り口へ向かうと、呼び止められるのかもしれない。結局、空港でレンタカーをチャーターして、同行者を家まで送り届けてから返却。
MySOSのアプリの存在
かなり心理的な負担を感じる。1日に何度も居所確認をしなければならず、自動テレビ電話が着信して、自分のことを30秒撮り続ける必要もある。いつもアプリの求めに応じられる状態であるとは限らないけれど、対応できないと不審な動きをしているようで、気分が悪い。太陽の光を浴びないと体に悪い、と思って徒歩5分の公園で日向ぼっこしていたら、待機場所に至急戻ってください、とアプリに指示される。日々の生活で、いつも自由を謳歌してきたのだなあと実感しています。
Comentarios